1. あなたが日本語を学ぶきっかけと、その方法は何でしたか?
日本語を勉強しようと思った理由は、文学部に入学し、他の言語と比較した結果、日本語を話せるアラブ人が少ないことから就職活動で有利になると考えたからです。日本とエジプトの文化や習慣の違いを深く知りたいという興味から始まり、カイロ大学文学部日本語日本文学科を入学しました。大学1年生と2年生の成績が優秀だったため、日本での留学をすることができ、大学3年生の時に東京の拓殖大学で1年間留学しました。日本での留学経験は、日本語の実践的なスキルを身につけるだけでなく、日本の文化や生活に対する理解を深める貴重な機会となりました。
2. この業界に興味を持ったきっかけとお仕事のやりがいについて教えてください。
私がこの業界に興味を持ったきっかけが、メディアを通じて人と人をつなぐことや知識を広げること、そして誰かのアイデアや想像を実際の製品や商品に変えることの喜びに魅了されたからです。また、この会社に興味を持った理由は、経験豊富で熱意に溢れた若い人たちがたくさんいる将来有望な会社であり、スムーズな仕事の進め方やチームスピリット、大きな家族のような環境が魅力的だったからです。実際、ニッポンプロダクションで働いていく上で見つけた仕事のやりがいは、人々を幸せにすることにあります。コーディネーターとしてクライアントの想いを形にすることで彼らを喜ばせ、観客には面白いコンテンツを提供し、紹介した国の人々が自分の国のために喜んでくれること、そして制作に携わった人たちが自分たちの仕事に誇りを持てることが、私の幸せに繋がります。
3. 異なる文化の中で働く上で、どのように文化の違いを乗り越えてきましたか?
海外で撮影を行う上で、文化の違いについて、特に海外と日本の撮影の違いについて感じることが多々あります。海外のメディアはフレキシブルである一方、日本のメディアはもっと整理されていて時間を守る傾向があります。海外ロケでは、このような違いを理解すると同時に、現地の文化や習慣のリサーチ、そして理解しないと大変なことになります。そのため、日本のクライアントと文化を超えたコミュニケーションを取る上では、敬語での対応や時間厳守を重要視し、こうした違いを感じながらも、多文化の中での仕事に楽しさを見出しています。
4. 撮影撮影経験で印象に残っているプロジェクトやシーンはありますか?
撮影撮影で印象に残っているプロジェクトはいくつかあります。過酷だったもの、悲しかったもの、嬉しかったものの3つに分けてお話ししますね。まず、過酷だった撮影は、最も長い撮影時間がかかったエジプトでの67日間ノンストップの撮影です。北から南まで3回移動し、連日続く撮影スケジュールは日々精神がすり減っていくようでした。また、モーリタニアでの撮影も大変でした。砂漠の過酷な環境と限られた資源の中での撮影は、体力的にも精神的にも挑戦的でした。悲しかった撮影は、チュニジアでアフリカチャンピオンリーグの最終戦を取材したときです。期待していた結果にならず、取材中の雰囲気も重く、心に残る経験となりました。最も嬉しかったのは、2022年カタール・ワールドカップの時です。特にUAEで開催されたFIFAクラブ・ワールドカップで、私のサッカーチームが3位になった時の喜びは格別でした。チームの快挙を間近で見守ることができ、撮影を通じてその瞬間を記録することができたのは、大変嬉しい経験でした。
5. 日本の映画やテレビ番組の撮影プロセスにおいて、特に挑戦的だと感じたことはありますか?その克服方法は何でしたか?
日本の映画やテレビ番組の撮影プロセスにおいて、特に挑戦的だと感じたことがあります。初めのうちは、日本のクルーが何を必要としているのかを察知することが難しく、多くのプレッシャーを感じました。日本の文化では、自分の要求や不満を直接表に出さないことが美徳とされることが多く、周囲の気配りや配慮が重んじられていると思います。そのため、日本のクルーが空腹や喉の渇き、トイレの必要などをあまり口に出さずに我慢することが一般的であると聞いた時、私はすぐには理解し行動に移すことに難しさを感じました。そこで、休憩時間や食事のタイミングについて頻繁に確認し、クルーが快適に過ごせるよう努めました。また、日本特有の習慣やルールについても理解を深め、時間を尊重することや適切な言葉遣いに気を付けることなど、文化に配慮した対応を心がけ撮影サポートを行いました。
6. 今後の目標と展望
今後の目標は、世界中にネットワークを拡大し、クライアントに高水準のサービスを提供し、会社の成長と目標達成に向けて最善を尽くしたいと思っています。また、ドラマや映画の撮影にも挑戦してみたいと考えています。特に、これまで経験したことのないジャンルに挑戦することで、新たなスキルを身につけ、自分自身をさらに成長させたいと思っています。さらに、撮影を通じて新しい場所や文化を発見し続け、多くの人々に感動と喜びを提供していきたいと考えています。